付記5 伊邪那美(イザナミ)と伊邪那岐(イザナギ)

付記5 伊邪那美(イザナミ)と伊邪那岐(イザナギ)
熊野には南方から黒潮に乗って海の民がやって来ていました。何故危険な海を渡って、わざわざやってくるのでしょうか?
それは、日が昇る海の向こうには何があるのか確かめたい、東に向かって進みたいという人間の本能があると思います。

そして、海を渡るため、海の幸を獲るため、海の凪を願うのです。
海の民は常に海の天候に気を配り、荒れた波(ナミ)が穏やかな凪(ナギ)、となるように祈りを捧げました。

寄せては返す波(ナミ)をずっと見ていると、生命の胎動にも思えてきます。
人々は、ナミとナギを生命の躍動(動)と終焉(静)になぞらえたのではないでしょうか?
掛け声の(イザ)と合わせると、イザナミ(女)イザナギ(男)になります。
国生み神話の主人公の誕生です。

又、次のような意味もあるのでないかと思います。
イザナミは、「波よ起これ(動)・・・世の中を変革する」・・・女帝が国家を導く
イザナギは、「海よ静まれ(静)・・・皇位争いを治める」・・・父系相続にする

女性の卑弥呼は倭国をまとめ、神功は半島の権益を守り、推古は遣隋使きっかけに国家造りを進めました。
その間、男たちは策謀を巡らし、ルール無き権力争いに明け暮れていました。
そこで、”さらら”は、父系直系相続の基本ルールを定め、争いを収め国家造りに邁進したかったのではないでしょうか?
でも、実際に世の中を動かしたのは女性で、”さらら”本人であるのを意識していました。

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